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コラム

ガラス割れについて

2021/05/10

時計のガラスが割れるとどうなる?

腕時計のガラスは、ケース本体とほぼ同じくらいの大きさがあるのでぶつけたり、落としてしまうことでヒビが入ったり割れたりしやすい箇所になります。
ガラスは針や文字盤を守るだけでなく、ホコリや水・湿気等の侵入を防ぐ役割も担っていますのでヒビが入ったり割れてしまった場合はすぐに修理に出すことをお勧めします。
ガラスに亀裂が入っている状態は防水性能も効いておらず、水・湿気が入ってしまう可能性が高いのでそのまま使用することは危険です。
内部に水や湿気が入ってしまうと文字盤や針はもちろん、内部の機械までサビが発生する可能性があり、故障の原因にもなります。

ガラスの種類と特性

時計に使われているガラスは大きく分けると3種類になります。

サファイアガラス

時計に使われているガラスの中で最も硬く、擦り傷や線キズが入りにくいガラスです。
現行品のロレックスや、オメガ、ブライトリングなどに代表される高級時計には、このサファイアクリスタルガラスが多く使われています。
反射防止のコーティングを施して時計の視認性を向上させることもできる材質になります。
身近なところで言うと、スマートフォンのカメラ部分もサファイアガラスになります。
ただし、硬度が高いため落下させてしまったり、ぶつけたりすると割れてしまうので扱いには注意が必要です。

ミネラルガラス

ミネラルガラスは一般的なガラスです。
サファイアガラスの半分ほどしか硬度がなく、紙ヤスリ等で擦るとすぐにキズが入ってしまいます。
また、衝撃にも特別強くはなく、比較的割れやすい素材です。
ファッションウォッチや2万円前後までの時計にはミネラルガラスが使われている事が多いです。

プラスチック風防

プラスチック風防はミネラルガラスやサファイアガラスが製造される前に使われていたガラスです。
そのため現行品で使用しているメーカーは少なく、アンティークやヴィンテージの時計に多く使われています。
アクリル樹脂でできているのでガラスに比べて柔らかく、衝撃等で割れることが少ないですが、キズがつきやすい素材です。
薄い線キズ程度であれば研磨してあげれば消せるという点もメリットと言えるかもしれません。

ガラスが割れた場合の対処の仕方

ガラスのヒビ割れは小さな破片やガラス粉などがムーブメントに入り込んでいることがあるため、割れた状態によってはオーバーホール(分解掃除)を勧められることがあります。
加えてガラスは基本的に修復が不可能なので交換が必要になります。(プラスチック風防のみ研磨で浅いキズ程度なら消せる)
ガラス交換料金は一般的なミネラルガラスの交換の場合5,000円前後、サファイアガラスの場合で10,000円前後~になります。
特殊な形、厚みのガラスの場合は別作する必要があるのでその場合は20,000円以上かかるケースもあります。

ガラスの割れは時計にとって大きな故障の一つですので早急に修理依頼するようにしましょう。