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コラム

オーバーホールの必要性

2021/04/20

オーバーホールとは?

オーバーホールとは「ムーブメントを部品単位まで分解して洗浄・組み立て・調整を行い、できる限り新品時の性能に近づける作業」のことを指します。

オーバーホールの必要性とは?

オーバーホールの目的は時計の不具合をできる限り早期に発見し、消耗しているパーツ等があればそれを交換することで未然に大きな故障を防ぐことにあります。
人間の体と同じく定期的に検診(メンテナンス)をすることで良好な状態を維持していくことが大事です。

オーバーホールに出すタイミングは一般的にクォーツ時計で約4~5年、機械式時計で約3~4年と言われています。
ただし、これはあくまでも目安ですので時計の遅れや進みが大きくなった場合や違和感を感じた段階で早めに診断を行うことをお勧めします。

定期的にオーバーホールをしないと内部はどんな状態になるのか?

オーバーホールをしないままで何年も時計を使用してしまうと内部に注してある潤滑油が汚れてしまい、時計内部の歯車類の動きが悪くなってしまいます。
一般的には毎日動かした状態ですと約3年ほどで油の劣化が始まり、そこから年数が経過するごとに油の量や質がどんどん低下していきます。
劣化した油は粘度が高くなりますので次第に汚れ等が混ざっていきます。そうした汚れが原因で歯車の軸に負荷がかかり、摩耗してしまい動きが悪くなるのです。年数が経過すると遅れの症状が出やすくなると言われているのはこのためです。
摩耗してしまった状態ですと、歯車が正確な動きをしてくれず、時計の精度に悪影響が出てしまいます。最悪の場合、歯車が破損してしまい時計が止まってしまうこともあります。

また、リューズやプッシュボタンといった外装部分も年数を追うごとに汚れや腐食が進行していきます。腐食が進んでサビが発生する段階まで放置してしまうとオーバーホールに加えてそうした外装パーツも交換が必要になり、高額なってしまうこともあります。

止まってからオーバーホールに出せば良いのでは?

時計が動かなくなってからオーバーホールに出せば良いと思っている方は意外と多いのではないでしょうか?
ある意味修理をするには最適な時期であると言えるかもしれませんが、これはお勧めしません。
「動かなくなってしまった」ということは内部に確実に異常が発生しているということであり、部品が破損している可能性も高くなるからです。
部品が破損してしまえば当然交換が必要になります。基本的に部品代はオーバーホールと別料金になっていることがほとんどで高級ブランドになればなるほどパーツ1個の値段も高額になります。
特殊モデルや年代物のオールドモデル等になるとそもそもパーツが手に入らず、修理自体が不可能になってしまうケースもあります。
そういった意味でも止まってからではなく、うごいている段階での定期的なオーバーホールがお勧めです。